Sept 20th Key Note Lecture
演者紹介・抄録
ケトン体代謝から考える心血管内分泌代謝学
熊本大学 国際先端医学研究機構 心臓発生研究室
有馬勇一郎
ケトン体は空腹時のエネルギー基質として知られる代謝物である。近年、ケトン体代謝の持つ多面的な作用が次々と明らかになるにつれ、ケトン体代謝も単なるエネルギー基質の運搬機構ではなく、生体の恒常性を維持するための内分泌機構と考えるようになった。我々はケトン体合成不全マウスの表現型解析から、ケトン体合成にミトコンドリアを保護する作用があることを見出した一方で、ケトン体代謝には心血管・循環器系の発生・病態に大きく寄与することを確認した。本レクチャーでは、ケトン体代謝に関する演者の研究成果を紹介しながら、心臓発生におけるケトン体代謝の寄与についても最新の研究成果を報告する。また、ケトン体の産生亢進に密接に関わる空腹についても、近年カロリー制限やIntermittent fastingなどの有用性が注目されており、本公演の中で紹介したい。
学歴:
2004年 熊本大学 医学部 医学科卒
2013年 東京大学大学院医学系研究科卒、学位取得(指導教授 栗原裕基先生)
職歴:
2004-2006 熊本大学病院 初期研修医
2006-2007 熊本大学病院 循環器内科 レジデント
2007-2009 熊本中央病院 循環器内科
2010-2013 日本学術振興会特別研究員(DC1)
2013-2016 熊本大学病院 循環器内科 特任助教
2016-2017 国立循環器病研究センター研究所 上級研究員
2017-2018 熊本大学病院 循環器内科 特任助教
2018-2021 熊本大学医学部生命科学研究部 循環器内科学 助教
2021-Current 熊本大学国際先端医学研究機構 特任准教授 (独立)
2022-Current JST さきがけ研究員(兼任)
2023-Current 熊本大学国際先端医学研究機構 副機構長