Jan 11 th Key Note Lecture
演者紹介・抄録
神経-血管クロストークと神経血管ガイダンス因子
慶應義塾大学医学部 解剖学教室 久保田義顕教授
抄録
わたしたちのからだの中の多くの場所で神経と血管が近接して走行しているのは、遡れば16世紀、現代解剖学の創始者であるAndreas Vesaliusが、彼の主著であるファブリカ(人体の構造)の中で記載したのが始まりである。現在ではよく知られた現象であり、全ての医学生が解剖学実習において、否応なく目の当たりにするものである。その伴走が能動的なものか、受動的なものかは諸説有り、臓器・組織によっても神経―血管クロストークの実態は大いに異なることがわかりつつある。本研究室では、特に網膜を中心に、中枢神経系における神経―血管クロストークを遺伝子改変マウス、イメージング技術を駆使して解析してきた。さらには、神経ガイダンス因子として知られる分子が、血管のガイダンスにも使われている、つまり神経血管ガイダンス因子の役割についても精力的に解析してきた。本講演では本研究室での最新の知見も踏まえ議論したい。
演者略歴
2000年、慶應義塾大学医学部卒業
2000~2003年、慶應義塾大学医学部形成外科学教室にて臨床研修
2003~2006年、慶應義塾大学大学院医学研究科博士課程(須田年生教授)
2006~2008年、慶應義塾大学医学部発生・分化生物学教室 特別研究助手
2008~2013年、慶應義塾大学咸臨丸プロジェクト 特任講師
2011~2012年、米国National Institutes of Health、Visiting Researcher
2013~2015年、慶應義塾大学医学部 機能形態学研究室 准教授(主任研究員)
2015~2017年、慶應義塾大学医学部 坂口光洋記念機能形態学 教授
2017年~現在、慶應義塾大学医学部 解剖学教室 教授