Oct 11th Key Note Lecture
演者紹介・抄録
研究データの公正性とは何か
~電子ラボノート導入の目的をはっきりさせる必要性~
国際医療福祉大学未来研究支援センター 副センター長 / 教授
飯室 聡
研究不正のニュースが無くならない!
研究倫理教育の充実と不正に対する罰則の強化は有効ではないのでしょうか?
ほとんどの研究者は「研究不正をしてやろう」などとは考えていないはずです。とくに、FFPと称される特定不正行為(捏造、改ざん、盗用)を意図的に行おうという研究者はいないと信じています。もしいるとすれば、その方は「研究者」ではないのでしょう。不幸にして研究不正が疑われる事象の多くは、うっかりミスや善意に基づく行動です。自らの研究に疑義が寄せられたときに、どのようにして研究の公正性を主張できるのか、どうやったら公正性を目指して再起できるのか、それを可能とするような考え方を身につけて欲しいと我々は考えています。
我々はJSR/RISRTEX事業として、研究の公正性の担保のツールとして電子ラボノートをどのように実装するか、ということに取り組んでいます。重要なのは電子ラボノートをどうやって構築するかというhow toではなく、何を目的として電子ラボノート環境を構築するかということです。つまりは、研究の公正性を担保するとはどういうことなのかということです。
今日はそのことについて皆さんと一緒に考えていきたいと思います
略歴
1995年 東京大学医学部保健学科卒 1999年 同 医学科卒
2006年 大学院医学系研究科内科学専攻 医学博士課程卒 博士(医学)
2006年 東京大学大学院医学系研究科 生物統計学/疫学予防保健学 特任助教
2021年 東京大学医学部附属病院 臨床研究支援センター データ管理部門 助教
2014年 東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 准教授
2015年 帝京大学 臨床研究センター 副センター長/教授
2019年 国際医療福祉大学 未来研究支援センター 副センター長 / 教授